超高層のスローライフ

西日本初のタワーマンション36階建て、中層住戸のリフォーム。

ただ古いものを新しく取り替えて行くだけの合理的で経済的な造り方でなく、楽しく愛着を持ってこの家と付き合っていけるように、材料を吟味し職人さん達の手を煩わせてリフォームしました。

・「Residencial Lighting Awards 2007 住まいのあかりコンクール」最優秀賞
・TOTO「リモデルスタイル作品コンテスト2007」優秀賞
・関西電力「E・家・くらし住まいの設計コンテスト2007」入賞

玄関からリビングまでの壁面収納。建具は柿渋塗り。建具・家具類はラワン合板を柿渋に墨を加えて仕上げ、取手はスチールアングルをカットして黒皮のまま。

玄関とリビングとはポリカツインで軽く仕切り、外光を取り込みます。手摺、ベンチ、飾り棚は床の端材。

土間:左官屋さんにモルタルを薄く仕上げていただきました。ムラの多い仕上げは職人さんの手の跡、味です。汚れ防止のため撥水処理をしています。

床:フランスのボルドー地方産の松板285×2000×25mmを使用。床に無垢板を使用するために全面遮音フローリングを捨て貼り。よく乾燥した材料を選定し、板の裏には割れ止めのスリットも入れましたが、幅広の厚板は反りや割れも生じるかも知れません。しかし、それは欠点ではなく自然の材料の持つ個性と考えます。

天井:既設の天井は撤去し、構造のデッキプレートをそのまま塗装仕上げとしました。面積は広く出来ませんが、天井を撤去することにより空間の容積は増やすことが出来ます。デッキプレートは床のコンクリート打設のための仮設のため、波打っていたり歪んでいたり、見た目は良くありませんが、構造的な問題ではありません。

 

壁面収納はテレビ台を兼ね、テレビ背面にはガラス棚と棚下灯。テレビ台の下部には既設和ダンスの桐盆を再収容しました。

建具塗装:建具には、柿渋に少量の墨汁を加えて塗り上げました。柿渋は渋柿の果汁を発酵させたもので、日本古来の自然塗料として使われ、防水・防腐・防虫の機能を兼ね備え、時間の経過とともに濃い色へと変化していきます。

建具の取手:鉄のアングルを鉄工所で切断して取付けました。黒い部分は高温で圧延された過程で生じる黒錆(黒皮と呼ぶ)で、白い部分が鉄の切断面です。錆が進行しないようにウレタン塗装をしています。

既設壁・天井を撤去してオープンなLDKとしました。壁面収納は玄関まで続き、その上部に照明を設け、間接光をスラブデッキに乱反射させて基本照度を確保します。

キッチンの横にパソコンコーナー。正面は鏡貼りとし、バルコニーを背に座っても窓からの眺望が楽しむことができます。右の壁面も全て収納で、引き戸の一枚は鏡貼り。

棚下照明、スポットにより作業面のみを効率よく照度を確保。ジャー、ポット、ゴミ、プリンターなどは全て引き出しに収容。

・キッチン:厚いステンレス板を金物屋さんで加工して頂いたシンプルなシンクです。

・パソコンコーナー:キッチン横の奥様スペースです。浅くて大きな引き出しと、足元にはパソコンのルーター、モデムなどを設置できる棚を設け、正面は鏡貼りとしています。

・プリンター:パソコンコーナー右脇の引き出しには、電源を入れたままの状態でプリンターを収納します。プリンターの下は用紙が入るように2段にしています。

・炊飯器:ジャー、ポット、コーヒーメーカーはダイニングテーブル横の使いやすい位置にコンセントに挿したまま収納できます。(通風を良くし耐熱・耐湿仕様としています)

・電子レンジ:レンジ・トースターのスペースは耐熱・耐湿仕様としていますが、オープン使用時にはスライドトレーにより引き出し放熱させることもできます。

・ゴミ:ゴミは流しの下にスライド式に収容します。

キッチン、パソコン台、テーブルなどは全て床の松材で大工工事。テーブル下には認印や車のキー、家族各自の小物を収容できる引き出しを設けています。

・鏡:随所に使った鏡は姿見の他、空間の広がりを演出する視覚効果もあります。玄関土間では出掛ける前の全身チェック、リビングではテニスやゴルフのフォームのチェック、窓のないキッチンや洗面では開放感を与えてくれます。

普段はリビングを広く使い、何かの時にはカーテンで中央を軽く仕切ろことができるようにして、多目的に空間利用できるようにしました。

照明:収納の上や吊り戸棚の上下などに間接照明をとり、部屋の全体の照度を確保し、特に照度の必要な部分のみをスポット照明(調光付き)で補うようにしました。

木部塗装:木部には化学物質を全く含まない水性の自然保護塗料を塗布。床には塗装していないような質感を持つ浸透タイプ、テーブル等には熱いお湯・醤油などをこぼしてもシミにならない皮膜タイプを使い分けています。

廊下の壁・天井は漆喰塗り回しの陰影ある空間としました。コーナー棚は床の端材。

壁:石灰砂を主とした100%天然成分からつくられたスイス漆喰を使用しました。調湿性・消臭効果の高い呼吸する壁材で、アルカリ性のためダニ・カビの発生を抑えます。1.5mmの骨材を加え、左官職人によりコテでざっくりと塗りあげていただきました。

バルコニーにはデッキを設け、その一部に屋上緑化のシステムで小さな箱庭を設けました。高層ながら自然を感じながら、愛着を持って素材の経年変化を楽しみ、四季折々を楽しく暮らしたいと思います。

バルコニーには窓枠とほぼ同じ高さにデッキを設けています。超高層のため、手摺が通常よりかなり高く(142cm)圧迫感があったのですが、一般的な高さとなり(120cm:法的には110cm以上)、ずいぶん見通しよくなりました。デッキは目透かしで作っているので、ほこりが下に落ち、素足のままの使用も出来ます。排水部分は取り外しができます。

庭:屋上緑化システムと同じ仕様で小さなプランターを大工さんに作ってもらいました。小さな小さな庭ですが、何を植えようか?家庭菜園にしようか夢は大きく膨らみます。
 

 

 

 

 

 

 

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