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マンションでも自然素材

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コンパス建築工房で提案している設計のアイデアやこだわりのディテールについてご紹介しています。

砂入漆喰仕上げ(「超高層のスローライフ2007」より)

手仕事の味を残すスイス漆喰仕上げ

タワーマンションというと、都会派・最先端、というイメージが強いかと思いますが、「マンションでも出来るスローライフ」がコンセプトのリノベーションです。居心地の良い、あたたかい空間をつくるために、自然素材を多く取り入れています。

 

手作業の味を残すスイス漆喰

 

壁に使用した仕上げ、漆喰についてご紹介します。

今回採用したのはスイス漆喰。化学成分を一切含まない石灰砂を主とした天然成分100%の漆喰で、調湿性・消臭効果の高い呼吸する壁材です。アルカリ性のためダニ・カビの発生を抑える効果もあります。

 

写真はリビングから寝室に続く廊下の壁です。

天井からのライティングで塗りのムラがより印象的に見えます。今回は、1.5mmの骨材(細かい砂利)を漆喰に混ぜ、左官職人によりコテでざっくりと塗ってもらいました。漆喰が本来持つナチュラルな白色は、無垢フローリングの色になじんでいます。光のあたり具合でこのような良い表情を出すのは壁紙等では難しいでしょう。

この壁塗り、簡単そうに見えて、じつはとてもむずかしい工程です。当社スタッフも左官職人さんの真似をして漆喰塗りに挑戦してみましたが全然うまく塗れなかったそうです。職人さんの高い技術が光ってますね!!

こ のように、塗り壁の施工には高い技術と施工の手間暇が必要なため、仕上がりが各職人さんの技術に左右されたり、壁紙などの他の仕上げに比べ割高になってしまいます。
そのこともあって、ハウスメーカーや分譲マンションでは、クレームを恐れて採用されず、大抵クロス張りです。

色ムラなどを「不完全なもの」として抵抗を感じるのか、もしくは「味」と捉えて、手作業の良さを評価するか・・・考え方はいろいろです。今回のクライアントにも自身の住まいづくりや生活スタイルについて見なおしていただく機会になりました。

現在はただ便利に、安くて手入れの楽な材料がほとんどの時代です。これからは、じっくりと家と付き合いながら、生活を楽しむことのできる自然材料の方が、むしろ豊かな生活と言えるかもしれませんね。
 

プロジェクト全体の写真はこちらからご覧いただけます。「超高層のスローライフ2007

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