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古民家解体と構造補強の様子

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大阪に在住のクライアント夫妻は、リタイアを機に田舎暮らしををされます。空き家になっていた実家を全面改修をし魅力的に再生した上で、ゆったりとした生活を始められます。これからの暮らしを考えるひとつの選択肢ですね。

リフォームする空き家は姫路北部市川町にある築100年以上の古民家です。今回は耐震診断・設計・補強に関して、兵庫県より約100万円の助成を受けることができました。

まずは解体の様子です。

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写真の通り、まともな基礎が見られません。

古民家では、まともな基礎や筋交いもないことが多く、老朽化も進んでいるため、徹底した構造補強からのスタートさせることが重要です。機能的でカッコいいのも良いですが、最も大切なのは、まず安全・安心ですよね。(もちろん機能的でかっこよくなりますが!)建物の歪みを矯正し、構造補強、断熱補強などをするために、壁は一度すべて撤去します。

そして、ベタ基礎、アンカー金物などで全面補強。床組をせずに土間仕上げとする部分には、断熱材を敷き込みました。

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大工だった施主のお父様が自ら手を入れていて、かなり複雑な小屋組みとなっていることがわかりました。これらを整理しながら補強していきます。今回のデザインでは、小屋組をオープンにして生活空間の一部とするために、屋根面には充分な断熱材(フェノールフォーム系)を施しました。

柱の割れやホゾの跡も、同材(栗の木)で丁寧に埋め木していただきました。

再利用できる建具も選定し、できるだけ取り入れられるように調整・補修しました。

このように古いものを再利用するには、再利用できるものの選定や、丁寧な調整・補修が不可欠です。残すために必要な隠れた手間が多く発生しますが、古いものがもつ雰囲気や魅力はいくらお金をだしても買えないものなので、完成のイメージを膨らませながら何をどう残すか考えています。

次回は、完成の様子を紹介します。

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