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超長期住宅先導的モデル事業へ応募!

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古くなって空室が増え、資産的な価値も低減してきているマンションが少なくない。通常、修繕積立金による大規模改修では、塗装や防水、設備などの修繕には定期的に手を入れが、社会的な変化に伴うデザインなどのソフト面はほとんど見直されることはない。
しかし実際には、マンションに魅力がなくなると、価格や家賃を下げざるを得ないために、ジリ貧状態に資産価値が低減しく。従って大規模改修するとき、単に十年以上も前のデザインに復元するのではなく、その費用の配分を検討して、現在のマンションとして魅力あるデザインや性能に引き上げることが個人の財産としてはもちろん、街の景観としても重要である。外観や共用部が魅力的になれば、住戸内部はいつでも魅力的にリフォームすることはさほど難しくはない。
現在進めている築23年のマンションでは、長年の間に雑然となってきた外観や共用部について、大規模修繕に伴って使いやすく快適なものにデザインや機能などのソフト部分の改善を提案している。またデザインを明るく快適なものとすることは当然ながら、自転車置場の不足に対しては自転車のシェアリングを提案したり、洗濯機置場のない各住居対して、大掛かりな設備工事を必要としない洗濯機内臓のキッチンセットへの取替えを提案し、あるいは法的に不適になっている部分を適法に改修してコンプライアンスを徹底するなど、低下した建物の魅力の復元を試みている。
マンションの魅力を再度取り戻すことができれば、個人の財産としてはもちろん、街並みを形成する社会資産としても、地域全体のグレードを上げることにも貢献し、確実に建築物の超寿命化の促進につながることになる。
本日、この改修提案を「超長期住宅先導的モデル事業」として応募した。発表は5月中旬となるが、採択されれば全体改修費用の10%程度の補助が国より受けられることとなる。
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■「超長期住宅先導的モデル事業」とは
「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」というストック社会のあり方について、住宅の長寿命化に向けたモデル事業の提案を、国が公募によって募り、優れた提案に対して、予算の範囲内において、事業の実施に要する費用の一部を補助するものである。
■応募案:既存マンションの魅力再生-ソフト改修
・大規模改修に当たっての現状
保存価値の高い建物は、充分な費用が費やされて対策がとられるし、反対に耐震性等に問題のある建物などについては、いずれ建て替えを選択せざるを得ないであろう。然るに、今後の多くの共同住宅の問題として、耐震性などの最低限の機能は満たしてはいるものの、経年変化によりマンションとしての魅力が低減し、空室が増え、結果として資産的な価値もなくなり、解体、もしくは建て替えを選択せざるを得ないケースが少なくない。
現在のマンションの修繕積立金による大規模改修としては、塗装や防水、設備などの建築の老朽化による仕様や機能の劣化の更新や補修など、あるいは大掛かりな改修にあっても、耐震改修、バリアフリー改修など、仕様や構造などの必要に迫られたハード面での改修が大半で、社会的ニーズの変化に伴う景観や環境、空間デザイン、あるいはコミュニティーなどのソフト面の改修は後回しにされてしまっている。これらはソフト面の改修については、緊急性や必然性がないことから住民合意が得られにくいという側面が大きい。
しかし実際には、建物の寿命は単に物理的な耐久性よりも、むしろ建物に対する愛着の気持ちや資産価値など社会的な条件で決定されることが多い。マンションの場合、建築的な魅力がなくなると、価格が安いという経済的な魅力を前面に押し出さざるを得ないために、ジリ貧状態に資産価値が低減し、景観や社会的資産としても魅力のないものとなる。
・既存マンションの魅力再生-ソフト改修
長年にわたり積み立てられた修繕積立金を使用して大規模改修するにあたって、ただ老朽化による仕様や機能を修繕して、十年以上も前のデザインに復元するのではなく、その費用の配分を検討しながら、今のマンションとして魅力のあるデザインや機能、性能に引き上げることが重要である。共同住宅の場合、外観や共用空間の魅力を整える再生行為は、住民のプライドと愛着を育む手段として有効であり、外観や共用部が魅力的になれば、区分所有部分についてはいつでも個人が手を加えて、魅力ある住宅にリフォームすることが可能になる。
マンションの魅力を再度取り戻すことができれば、個人の財産としてはもちろん、街並みを形成する社会資産として地域全体のグレードを上げることにも貢献し、また、流通価値も適正に評価されるため、確実に建築物の超寿命化の促進につながるのである。
立地・現況
大阪市内において若者に人気のある地区のひとつである南船場地にあり、近年、周辺ではオシャレな飲食店やブティックなどが軒を並べる。
建物は築23年のいわゆる下駄履きマンションである。ワンルームを中心に105室、事務所5室、店舗4室(1室は駐車場を用途変更)ある。これまでも様々な手が加えられてきたが、今回は単なる老朽化などに対するハード面の修繕に留まらずに、機能面やデザイン面などソフト面で全体的に見直し、マンションの魅力を向上させて、入居者にとって快適であることはもちろん、所有者の資産価値や街並みの景観をも高めようとするものである。
ソフト改修の内容
管理組合からの要望を踏まえながら、以下のソフト面での改修を行う。
【1】景観整備:外観・街並みの整備
【2】デザイン改修:共用部の美観・機能・性能(省エネ・バリアフリー)の改善
【3】適法化改修:容積オーバー、避難通路の確保、廊下の開放性、耐震壁の復元
【4】その他:自転車シェアリング、ランドリーキッチン、オートロック、

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