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森のアトリエ完成
昨年より進めていた別荘が完成を迎えた。
教師をしながら創作活動をされているご家族のセカンドハウス兼アトリエである。
東条湖の近くで、神戸にお住まいのクライアントは1時間足らずで行くことが出来る。周りを雑木に囲われ、近くには多くのため池などもあり、様々な生物もいる。何でも便利に快適に生活できてしまう現代、少し不自由なくらいで自然な生活を楽しむことは、まだ小さな子供たちにとっても素晴らしいことだろう。
計画に当たって、森に溶け込むようなシンプルな形態とし、素材も出来るだけ素朴なものを採用したいと考えた。
構造は以前に紹介(2009/02/25木の話)した熊本産の球磨杉のくんえん処理材を採用した。産地で低温乾燥、プレカットした後に船で現場まで一気通関で運ばれてきたものである。
外壁もくんえん処理した杉の縦羽目板張りとし、木材保護塗料は退色の少ない黒色とした。一階の建具は木製引き分けで全開放とし、セカンドハウスの為、不在時には全ての開口を杉板雨戸にて閉鎖できるようにしている。
内部は区画の少ないシンプルな空間とし、クライアントの意向により合板の木目を残した白い塗装を施した。
工事は当初の予定より半月ほど遅れたが、なんとか残りの夏休みをこの別荘で過ごしていただくことができる。
photo by daijirou okada spaceclip