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空間を演出するライティング
コンパス建築工房で提案している設計のアイデアやこだわりのディテールについてご紹介します。
空間を演出するライティング計画 「超高層のスローライフ2007」
「照明は一部屋にひとつ」、と思っていませんか?
日本のマンションには、必ずと言って よいほど天井中央に照明器具を設置するためのプラグが付いています。そのため、照明にそれほどこだわりが無い場合、「シーリングライト」と呼ばれるカバー付きの照明器具を各部 屋にひとつ取り付けるのが一般的かもしれません。どんなインテリアでも邪魔をしないし、これ一つで十分な明るさが得られることも広く普及している最大の要 因でしょう。
たとえば、下の写真は築25年の高層マンションのリビングやキッチンですが、各部屋にシーリングライトがついています。
け れど、おしゃれなレストランの店内に照明がひとつだけでないように、住居でも一室に複数の明かりがあると部屋の雰囲気も実用性も高くなります。たとえば照 明には、全体を明るくする「全体照明」と、部分的に明るくする「部分照明」の二つがあり、それらをうまく使い分けると異なる効果が得られます。
ではリビングを中心に、どのような照明を選んだのか見ていきましょう♪
全体照明:シームレスライン蛍光灯(→リビング全体)
使用したのはコンパクトなライン状の蛍光灯。均一でムラのない光によって部屋を明るくすることができます。使用したのはパナソニックの、明るさ44Wのシームレスライン蛍光灯。
シームレスライン蛍光灯は通常の蛍光灯に比べて器具がコンパクトで、切れ目のない均質な光を得ることができます。また省エネ効率の高いLED器具も、最近では採用しやすい価格になってきました。
今回は天井の端にある梁と壁面収納の扉に挟まれたスペースを利用して照明器具を隠すことで、部屋全体のナチュラルな雰囲気を崩さずに部屋全体が明るくなりました。
(収納の扉を開くと奥に隠した照明器具が見えます。)
部分照明①:シームレスライン蛍光灯(→作業用の照明)
細かい作業をすることが多いキッチンカウンターと、PCデスクには手元が明るくなる照明を加えました。壁の奥にミラーをつけた理由としては、窓の取れないマンションなどで、空間に奥行きを演出し、解放的な印象を与える視覚効果をねらっています(*゚▽゚*)
部分照明②:スポットライト(→ダイニング)
ダイニングにはスポットライトを用いました。スポットライトは一定方向を照らす照明器具です。
部屋全体を平均的に明るくする照明器具とは異なり、温かい強い光で食卓に視線が集まるような演出をしています。明るさを調整できる調光器具を取り付けているため、生活シーンにあわせて雰囲気を変えることもできます(o^-^o)
使用したのは、65wの明るさの配線ダクト取付型ハロゲン電球スポットライト。白塗装の天井にフィットする白い配線ダクトレールとスポットライトを取り付けました。スポットライトも、最近では省エネ効率の高いLED器具のものが発売されています。
(360°向きを変えることの出来る最もベーシックなスポットライト)
このように、全体照明と部分照明をうまく組み合わせることで、空間に明暗が生まれ、立体的な空間を演出することができます。部屋の隅々まで均質に照らすのではなく必要に応じて適した照明器具を配置し、対比を作るのが豊かな空間づくりのポイントです!
ハ ウスメーカー等で家を購入する際、設備や照明器具などは建築本体とは”別オプション”になるのに対し、建築家の仕事には、どのような照明器具やエアコ ンなどの設備を使用するかなども含めて総合的に計画することも含まれています。高級な照明器具を選ぶのではなく、気持ちのよい明るさを計画することで、全体のデザイ ンの統一感が出来るのはもちろん、クライアントは『どこにコストをかけてどこを省くのか』という費用のバランスも一緒に相談することができるのです。