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日本の伝統文化 柿渋仕上げ

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コンパス建築工房で提案している設計のアイデアやこだわりのディテールについてご紹介しています。

 

柿渋仕上げ(「超高層のスローライフ2007」)

タワーマンションというと、都会派・最先端、というイメージが強いかと思いますが、「高層マンションでも出来るスローライフ」がコンセプトのリノベーションです。居心地の良い、あたたかい空間をつくるために、自然素材を多く取り入れています。

 

今回は、建具や家具などの仕上げに用いている柿渋について。

リビングの壁面収納の扉などに、柿渋仕上げのラワン合板を使用しました。ラワン合板は木材の中でももっとも低価格で手に入る下地材のひとつです。

そのような安い材料とはいえ、柿渋を仕上げに使ったことで表情に深みを出すことが出来ました。とくに今回は柿渋に少量の墨汁を加えています。こうすることで、本来の赤茶色の柿渋の発色よりも落ち着いた色をつくりだすことができました。

 

日本の伝統的な塗料といえば漆が有名ですが、漆は高価なので、庶民の間では昔から柿渋塗料が多く用いられていたそうです。発酵させた渋柿の果汁から作られており、防腐・防水・防虫・抗菌作用などの優れた効能があります。

近年の伝統文化を見直す傾向や健康・自然志向の観点から人気が高まっている素材ですよ(*^_^*)

木と同様に、柿渋の色や風合いの経年変化も楽しめます。

現在はただ便利に、安くて手入れの楽な材料がほとんどの時代です。これからは、じっくりと家と付き合いながら、生活を楽しむことのできる自然材料の方が、むしろ豊かな生活と言えるかもしれませんね。

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