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中部建築視察
住宅部会の今期最後の3月例会として「豊田市立美術館と秋野不矩美術館、他を訪ねる」一泊二日の視察ツアーを行った。 個人でそれぞれを見て回るには大変な建物を二日間で効率よく見て回ることが出来た。
・瞑想の森(伊東豊雄):各務原市の斎場である。住宅街を少し入っただけで急に静寂な雰囲気になる。薄い曲面シェルはそのまま柱、あるいは樋となって地上に繋がり、その厳かな空間をゆったりと優雅に、そして優しく包みあげている。
・名古屋大学野依記念物質化学研究館(飯田善彦)、野依記念学術交流館(飯田善彦):共にノーベル化学賞を受賞した野依博士を記念して建設された名古屋大学内の施設で、コンペにより飯田氏の設計となったものであり、名古屋大学施設整備課の戸島氏より丁寧な案内を受けた。
・豊田講堂(槙文彦):槙文彦氏の初期作品であり、名古屋大学の中心的な建築である。老朽化に対し近年竹中工務店により忠実に再生された。本日はわざわざ竹中の生産統括部の森氏に来ていただいて、再生に当たっての技術的なご苦労などについて説明していただくことができた。
・豊田美術館(谷口吉生):ミニマルな均整の取れた建築プロポーションは美しく、ピーター・ウォーカーによるランドスケープとのコンビネーションも素晴らしい。美術館は以前にも見ているので、今回は敷地内にあるお茶室を特別に見学させていただいた。これも谷口による設計であるが、さすがに和風の数寄屋においてもそつがない。
・足助町においては菅家さんの友人の店「マンリン書店 蔵の中ギャラリー」を訪れ美味しいコーヒーを戴き、宿泊の「百年草」(浦辺建築事務所)では足助観光協会事務局長の鱸氏が村の活性化への取り組み等について説明いただいた。夕食のフランス料理のフルコースも絶品、二次会は私達の部屋に場所を変えて夜中まで建築夜話に友好を深めた。そして翌朝には自生のカタクリを見に行き、昔ながらの村の生活を今に再現した三州足助屋敷や足助の町を散策した。
・秋野不矩美術館(藤森照信):藤森氏の建築はいつもながらに粗野、ちっぽけなことには意に介さない、他の建築家にはないその奔放さが私は大好きだ。
・OM研究所(永田昌民):浜名湖の湖岸に位置するOMソーラーの本部である。休日にもかかわらず、自然環境との共生をテーマとしたこの施設「地球の卵」について所長自ら案内いただいた。
休日にもかかわらず、ご足労いただき案内・説明いただいた現地の皆様ありがとうございました。また今回の例会を担当いただいた志村さん、瀧川さんご苦労様でした。そしてツアー参加の皆様、帰りはすっかり遅くなってしまいましたが、納得のできる充実した視察になりました。おつかれさまでした。
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